塔婆の種類


楼閣式塔 (多層塔)

 各重ともに高い塔身をもつ塔婆。
 中国の高層楼閣建築をもとに成立したと考えられる。
 早くから建立された形式。

 

密檐式塔 (多簷塔)

 初重のみ塔身が高く、二重以上は塔身が低く、軒が近接して各重が積み重なる塔婆。

 

亭閣式塔 (単層塔)

 一重を基本とする塔婆。
 楼閣式塔と並び早くから建立された。

 

花塔 (華塔)

 塔身の上半部または中央部に複雑な装飾を施し、花束状の外観を呈する塔婆。

 

チベット式塔 (ラマ塔)

 卵型の塔身の上に、円錐形の相輪を付す塔婆。
 チベット仏教圏で成立し、中国には元代以後に流入した。

 

覆鉢式塔 (古式塔)

 印度や中央アジアのストゥーパに形態が近い塔婆。

 

金剛宝座式塔 (五塔)

 印度のブッタガヤ大塔を摸した塔婆。巨大な台上の中央と四隅に密檐式塔やチベット式塔などを配す。
 明代以後に建立される。

 

複合式塔

 楼閣式塔、密檐式塔、覆鉢式塔、チベット式塔等の諸要素が複合された塔婆。

 

過街塔 (塔門)

 人馬が通行する城門等の上にチベット式塔を設置する塔婆。
 下部を車馬も通行が可能な物を「過街塔」、人のみが通行できる物を「塔門」ともよぶ。

 

南方式塔 (タイ式塔、ミャンマー式塔)

 雲南省にみられるタイやミャンマー式の覆鉢型の塔婆。

 

宝篋印塔

 方形の塔身に笠、相輪を戴き、笠の四隅に突起を設ける。
福建省泉州を中心に石製の違例がある。江南の阿育王寺阿育王塔と、これに因む呉越王銭弘俶が造らせた金塗塔もこの形式。

 

宝塔

 円形の塔身に笠、相輪を戴く形式で、石製の違例がある。

 

幢式塔 (経幢)

 細長い幢身上に笠を載せる形式で、基本的には石製。
 幢身には陀羅尼経を刻むものが多い。

 

特殊塔 (その他)

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